抗生物質について

抗生剤ってわかっているようでわからない。

お医者さんを信用してすぐ飲んでしまう人と
薬が嫌いで、毛嫌いする人と
二つに分かれるように思います。

抗生剤 (抗生物質) って いったい何なのでしょう?

かぜを早く治すくすりでしょうか? 

早く熱を下げてくれるくすりでしょうか? 


それとも、 中耳炎を予防するくすりでしょうか? 

案外、 抗生剤 って 誤解されているんですね 

(責任はお医者さんにあるらしいのですが・・・)

● 抗生剤とは?
抗生剤とは、 細菌だけをやっつける薬のことです。

● 抗生剤は、 かぜや発熱に効くの?
かぜや発熱の原因はいろいろありますが、ほとんどはウイルスによるものなので、
それらには抗生剤はまったく効きません。 

 みずぼうそう、 おたふくかぜ、 はしか、 ヘルパンギーナ、 プール熱、 アデノウィルス、 手足口病、 ロタウィルス、 突発性発疹なども、 みんなウィルスなので、 抗生剤はまったく効かないとのことです。


抗生剤は、 溶連菌、とびひ、百日咳などの細菌によるものにのみ効果があります。


また、扁桃炎、気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎でも、ウイルスによるものが多い為、抗生剤はその一部の細菌によるものにしか効果がありません。

● 原因がウィルスか細菌か (つまり、 抗生剤が必要か) 初めから分かるのかな?
熱や咳や鼻水といった風邪によくある症状だけというような場合は、 その原因がウイルスか細菌かを見分けるのは、 なかなかむつかしいそうです。

その為、 熱や咳や鼻水が続いた場合に、 経過をみながら検査 (採血やのどや鼻水やレントゲンなど) をして、細菌による感染症が強く疑われた場合などに限ることがのぞましいそうです。

● 初めから、念のため抗生剤を使うと ?
① 常在菌が減ってしまいます。
常在菌とは、 体内にいつもいる味方の細菌(善玉菌)のことです。 これらの細菌は悪い病気の細菌から人間を守ってくれています。 けれども抗生剤を繰り返し使用してしまうと、 この常在菌たちが死んでしまい、 かえって風邪や感染症にかかりやすい、 あるいは治りにくい身体になってしまいます。
② 耐性菌が増えてしまいます。 耐性菌とは抗生剤の効かない細菌のことで、これらは抗生剤を使えば使うほど増えていき、 風邪や感染症が長引いたり、 かかりやすくなる原因となります。

● 以前は・・・
以前は、 抗生剤を”念の為”とか”さしあたって”とか”とりあえず”などと称して、 処方することが多かったようです。 その為、 くすりをもらう患者さんの方も、 抗生剤に慣れっこになってしまい、 いつも風邪は抗生剤のおかげで治っているのだという思い込みや、 抗生剤をもらっておけば安心といった抗生剤に対する奇妙な信頼感を持つようになってしまったのです。 

● これからは・・・
抗生剤を念のために使っておこう、 もし悪化しても言い訳がしやすいという 患者さんを納得させやすいといった安易な発想を捨てて、 一人一人に対して抗生剤が必要かどうかを吟味し自問し悩みながら丁寧にこまめに診療していくことが大切。


保護者の方も、 安心のために早めの抗生剤を希望せずに、 病状に応じて再受診することが、 不必要な抗生剤の使用を減らすとともに、 重い病気を見逃さないことにつながる。


子供のくすりの内容に関心を持って、抗生剤が処方された場合は、 どうして今回は抗生剤が必要なのかということをお医者さんに確認できると良いですね。

参考:こどものお医者さん おがわクリニック HP

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